ユーザビリティの定義とは?
ユーザビリティとは、人がものを選ぶ時に感じる使いやすさを指す言葉です。ただ使いやすさと言っても、デザイン性、機能性、安全性など、さまざまな要素が関わってきます。万人が同じように感じるためには、万人にユーザビリティを合わせる必要があります。
しかし、それは物理的に不可能なことです。日本規模で考えたとしても、人数が多すぎて到底できることではありません。Webサイトはインターネットを介して誰でも見ることができますから、そのページを見る全員に合わせることになります。
また、ユーザビリティの言葉を使う国によっても、意味合いが変わってくる場合があります。1998年にISO(国際標準化機構)がユーザビリティについての世界共通の定義を作りました。それによると、「特定の目的を達成するために、特定の利用者が、特定の利用状況で、有効性、効率性、そしてユーザの満足度の度合い」をユーザビリティとしています。
それでは、ユーザビリティのこの3つの言葉の定義についても見ていきましょう!
ユーザビリティの3つの言葉の定義とは?
ISOが定義したユーザビリティには、有効性、効率性、満足度の3つの言葉が含まれてます。
まず、有効性とは利用者が指定された目標を達成する上での正確さと完全さを指す言葉です。
次に、効率性とは利用者が目標達成する際に正確さと完全さに関連して費やした資源を指します。
最後に、満足度とは不快さがなく、製品使用に対しての肯定的な態度を指します。
ユーザビリティはさらに細分化すると5つの要素に分けられる
ISOのユーザビリティに対する定義は、抽象的なものなので、もう少し具体的に見ていきましょう。1994年にデンマーク出身のアメリカの工学者であるヤコブ=ニールセン博士が、ユーザビリティの定義をさらに細分化したものを発表しています。これは、UI(ユーザーインターフェイス)デザインの原則としても有名です。
5つの要素をそれぞれ見て、どんなことを言っているのか理解を図りましょう。
1.学習のしやすさ
ヤコブ=ニールセン博士は、システムはユーザーがそれを使って作業をすぐ始められるよう、簡単に学習できるようにしなければならないと言っています。
専門的な知識なしでも、システムを使用する誰もが作業が出来なくてはならないということです。
2.学習のしやすさ
ヤコブ=ニールセン博士は、システムは、一度ユーザーがそれについて学習すれば、あとは高い生産性を上げられるよう、効率的な使用を可能にすべきであると言っています。
システムに対する知識や考え方を使用者が習得し、それを時間やコストの面などでも効率的に使えるということです。
3.記憶しやすさ
ヤコブ=ニールセン博士は、ユーザーがしばらく使わなくても、また使う時にすぐに使えるよう覚えやすくしなければならないと言っています。
システムを使うのが稀な場合でも、その使用方法が忘れてしまうぐらい複雑なものではいけないということです。
ユーザーが使いやすく覚えやすいものを提供する姿勢を表しています。
4.エラー発生率
ヤコブ=ニールセン博士は、システムはエラー発生率を低くし、ユーザーがシステム使用中にエラーを起こしにくく、もしエラーが発生しても簡単に回復できるようにしなければならない、また、致命的なエラーが起こってはいけないと言っています。
なるべくエラーが出ないような強固なシステムを整え、エラーが万が一出た際には専門家の力を借りずに、ユーザー自身で直せるような仕組みが必要なのです。
5.主観的満足度
ヤコブ=ニールセン博士は、システムは、ユーザーが個人的に満足できるよう、また好きになるよう、楽しくできるようにしなければならないと言っています。
ことわざでも「好きこそものの上手なれ」という言葉がある通り、好きなものは何でも楽しく感じるものです。
また、初めは苦手意識が強くても、使えるようになれば楽しくなることだってあります。システムの仕組みを理解し、使えるようになって、それを好きになることが先決ですね。
5つの要素を総合して考えると、ユーザビリティがどんなものなのかが自ずと分かってくるのではないでしょうか?誰でも、いつでも、何回でも、ストレスなく使えるという使いやすさに重点が置かれているのです。
UIもUXもどちらも密接なつながりがある!
UIとはユーザーインタフェースの略称です。ユーザーの目に晒される情報全てを指す言葉です。
UXとはユーザーエクスペリエンスの略称です。ユーザーが直接製品やサービスを通して得られる体験や経験を指します。
UIもUXも、ヤコブ=ニールセン博士が提唱するようなユーザビリティを実現する上ではとても重要になってきます。
UI、UXのどちらに重点を置きすぎてもダメです。
UIではユーザーが情報をいち早くキャッチしやすいように、UXではその経験を通してユーザーが満足を得られるようにバランス良く考えていくことが求められます。
まとめ
ユーザビリティ=使いやすさの図式が成り立つことが分かりましたね!
でも、それだけではなく、システムを動かして効率よく情報を手に入れ、その経験からどんな満足度が得られるかがとても重要なのです。経験を通して得られる満足度は個人個人違いますが、さまざまなユーザーが使うことを想定してWEBサイトなどを作ることが大切です。
今一度、ユーザー目線に立って、ユーザビリティを考えてみてください!きっと新しい発見につながるはずです!
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