和の色

ブログを開始するにあたって、個人制作も再開したいと思います!
記念すべき第一回目の作品は「和の色」をテーマに記事にします。

皆さんは色の意味を普段の生活の中で考えることはあるでしょうか。
今着ている服の色は、ただの「青」でしょうか?ただの「赤」でしょうか?

3種類の「青」を見比べてみましょう。

皆さんの想像する青はありましたか?
実は、この3つとも和の色としての名称があります。

中縹(なかはなだ)

中縹(なかはなだ)とは、古代の藍染あいぞめの色名で少し暗い青色のことです。『深縹こきはなだ』より明るい色で、さらに明るいのが『次縹つぎはなだ』になります。

古くは単に『縹はなだ』と呼ぶ場合、この『中縹』を指していました。
平安時代の格式『延喜式えんぎしき』では、藍染めの色(=縹色)を濃い順に『深縹』『中縹』『次縹』『浅縹あさはなだ』の4つに分けていましたが、近世以降、藍染めの色は同じく濃い順で『紺こん』『藍あい』『縹』『浅葱あさぎ』と呼ぶようになったこともあり、『縹色』の色合いも『次縹』に近い色となっています。

『中縹』の染料は「綾一疋につき、藍七囲、薪九十斤」とされ、藍だけで染めた色です。

呉須色(ごすいろ)

呉須色(ごすいろ)とは、深く渋い青色のことです。色名の『呉須』とは陶磁器の染付そめつけに使われる顔料の名前、または焼き物の「呉須焼き」に由来します。

呉須による染付は中国の景徳鎮から日本の伊万里に伝わり、瀬戸や京都など各地で焼かれるようになりました。また、ヨーロッパ方面にも伝わり、ドイツのマイセンで美しい青が開発されることになります。

呉須
呉須とは酸化コバルトを主成分とした鉄・マンガンを含む鉱石のこと。陶磁器の染付に使われる呉須はこの鉱石を粉末にしたもの。
中国の呉須鉱石の産地名から、日本では“呉須”と呼ばれるようになった。
一般に、呉須で磁器に絵付したものは「染付そめつけ」、粗雑な磁器に描かれると「呉須絵ごすえ」という。

鉄紺(てつこん)

鉄紺(てつこん)とは、『鉄色てついろ』がかった『紺色こんいろ』で、わずかに緑みを帯びた暗い青色のことです。 紺色は藍染あいぞめを繰り返して染められる色であり、江戸時代には最も日常的で需要の高い色でした。それは染物屋そめものやの総称が『紺屋こうや』と呼ばれることからもうかがい知ることができます。

藍染めは染めるほどにやや紫みを帯びてくることもあり、紫みの強い紺色は別に『紫紺しこん』や『茄子紺なすこん』と呼ばれました。逆に紫みの少ない緑みの紺色に「鉄」という装飾をつけて区別されたのが『紺鉄』です。鉄紺は平安の頃の『濃藍こいあい』に近い色の濃さになります。

鉄色と紺色の中間に『紺鉄こんてつ』という色もありますが、紺鉄のほうが少し明るい色です。

ちなみに、お正月の箱根駅伝で有名な東洋大学陸上部の用いる襷たすきの色が『鉄紺』です。

さて、長くなってしまいましたがこのように同じように見える青色でも名前も意味も違っているのです。
「色」という物はとっても奥深く、昔の誰かが名前をつけて、意味を伝えてきた物なのです。

ご自身で和の色について調べたい人はこちらのサイトがオススメです。

↑和の色をモチーフとした50音作品

今回は少し遅れてもう2月ですが、毎年何かしらの統一モチーフとして、言葉や漢字を決めています。過去には「縁」「自分らしさ」などがありました。

続という文字を今年の題材、モチーフとします。「続ける」「続いてきた物」「続けたいもの」など複数の意味を込めてです。ブログを始めたのも、自分の考えや記憶を誰かに続けたいことから始めることにしました。

本記事の和の色も、古来より続いてきた物。ということで題材としたものです。

こちらが今回の和の色をモチーフとした作品「わのいろあつめ」です!
実は最後の最後になって分かったのですが「を」と「ん」から始まる和の色はありませんでした。「を」「ん」から始まる色を最初に名付けることになるのは、これから未来を生きる人だと想像するとワクワクしませんか?

これを期に読んでいるあなたが色について少しでも興味を持って、自分が好きな色について調べて

「黄色」が好き】から

【普通な黄色よりもわずかに赤みを含んだ優しいイメージの色の淡黄(たんこう)という色が好き】

という表現ができる奥深い人間になれると良いなと思います。
では今回はここまで。また記事を書きましたら是非ご一読くださいませ。

Primitive-Seed

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